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カルタヘナ:エスケープダイアリーズ

Cartagena: Escape Diaries

評価:7/10

カルタヘナ」の新バージョン。

通常の上級ルールである「補充札公開」が通常ルールになっている。
全員のピックを記憶するのは大変だけど、前プレイヤーのピックカードを覚えるぐらいはできそう。

それとは別に、今回も2つのバリエーションが追加されている。

1つ目は「キャプテン駒」。
各プレイヤーの6つの駒のうち1つはキャプテンとなり、特殊能力を持つ。
・任意のカード2枚でワイルドカード扱いで進める。
・後退してカードピックする時、場の好きな場所からカードを拾える。
どちらも強力な能力なので、キャプテンの動かし方が少し重要になる。

2つ目は「いかだの追加」。
コース全体の2/3地点に埠頭エリアが追加される。
埠頭にはいかだが2台停泊していて、通常コースでは無くいかだに乗船することも可能。
いかだに(任意のプレイヤーの)3つの駒が乗船すると一気にゴールすることができる。
ただし、それより前にいかだに3つの穴が空くと、乗船した駒は埠頭エリアに戻される。
カードの背景が茶色と灰色に分かれていて、灰色カードを使うとチップをランダムにめくり、いかだに穴が空いたり、NPC駒がいかだに乗船したりする。
ゴールへのバリエーションが生まれていて中々面白い。

チップの中にはアイテムに×が描かれたチップもあって、これがめくられるとゴールからみて一番近いそのアイテムマスに置かれて、ないものとなる。
個人的に、今回のバリエーションルールで一番気に入ったのはこの要素。
ゲーム途中で絶対的に保障された高価値アイテムが生まれることになる。
これが公開場札補充ルール、キャプテンの任意位置からのドローと上手くかみ合っていて面白い!

前回のバージョンのバリエーションルールはイマイチな印象だったけど、今回のは中々良いんじゃないかな。

ラクナ

Lacuna

評価:7/10

シンプルな2人用アブストラクト。

7色×7個のチップを盤面にばらまく。

あとは、順番に自分のポーンを1個ずつ置いていくだけ。

ポーンの配置には制限があって、同じ色のチップを結ぶ直線上に置かなければならない。
その後、それら2つのチップを獲得する。

これを各自6個ずつポーンを置くまで繰り返す。

まだ盤面にはチップが残っているわけだが、これは一番近くにポーンを置いているプレイヤーが獲得する。

最終的に各色でマジョリティチェックして、より多くの色でマジョリティを取れた方の勝ち。

2つのチップを結ぶ直線上に何かあると選択不可っていうルールが効いていて、いい場所を取りつつ、相手の手を狭めることも可能。

すごくシンプルでいて、奥深さもある理想的な2人用ゲーム。
アナログならではの曖昧さもあるので、カチッとしたアブストラクトを嫌う人でも楽しめそう。

ビアパイオニア:ビアブーム

Bier Pioniere: Bier Boom

評価:7/10

骨太ビール造りワーカープレイスメント「ビアパイオニア」の拡張。

モジュール式バリアントが5種類入っている。
複数入れても良いみたいだけど、2種類ぐらいにしとけよって書かれてあるので、3回に分けて全部遊んでみた。

1つ目は「醸造残渣」。
醸造時に残渣と呼ばれる廃棄物が生まれるようになる。
最後まで手元に残すと失点なのだが、廃棄アクションをすることでボーナスが得られる。

2つ目は「輸出」。
ビールを外国に輸出するアクションが追加された。
同じ種類のビール2つと樽2つを消費して様々なボーナスが得られる。
あと、各プレイヤーはゲーム開始時から失点を持っていて、輸出アクションをすることでこの失点を無くすことが出来る。

3つ目は「ダブルコープ」。
新たな拡張タイルが追加されて、これを建てることで追加の醸造スロットを1つ獲得できる。
醸造アクションは「種類」でカウントするみたいなので、「ビールを1種類醸造する」アクションで一気に2つの同じビールを作ることが出来るようになって少しお得!

4つ目は「ハウスブランド」。
「ダブルコープ」と似ていて、新たな拡張タイルを購入することで、追加の醸造スロットを1つ獲得できる。
「ダブルコープ」は最初にどの種類のビールにするか決めないとダメだったけど、「ハウスブランド」は、その醸造スロットで醸造開始するタイミングで、作るビールを決められる。
しかも、誰かしらが作れる状態になっているビールであれば、作ることが出来る!
かなり、自由度が上がるバリアント。

5つ目は「広告柱」。
ラウンド終了時に、イベントタイルがめくられることがあり、手番順ボーナスが変わったり、新しいアクションマスが生まれたりするようになった。
とはいえ、そこまで強力な効果はないので一番地味なモジュールかも・・・(と言いつつ、これを使った逆転劇があったので、何とも言えないけど・・・)

1個1個は地味だけど、プレイング幅は確実に広がっていて、絶対に入れた方が良い拡張。

基本のカードが強かったのか弱かったのか、それらのカードの修正バージョンも同梱されていて、真剣に良いゲームにしようとする愛が感じられる。

このデザイナーは、気難しいマニアにしか受けないゲームだけ作ってる印象だったけど、今作はかなり一般受けするゲームになってるよ!みんな試してみてね。

ニッポン:財閥

Nippon : Zaibatsu

評価:7/10

ニッポン:明治維新」のリメイク。
かなり手が入っている。

リメイク前はワーカーの色の意味合いは薄かったが、リメイク版では色ごとに決算時ボーナスが付くようになり、濃淡が生まれている。

船や輸出(契約)アクションが違うものになった。
リメイク前はぼんやりした印象のアクションだったが、リメイク後は起こる事が明確になり、報酬も選択しやすくなっている。

細かいが、大きいと思われる変更点として、影響力チップが「ぴったり」のものしか置けないようになった部分。
リメイク前は「より小さい」影響力チップも置けたのだが、「ぴったり」に限定されたことで、影響力チップ分布のデザイン意図がはっきり伝わってきた。(前は気づいてなかった・・・)

決算時に、お金と石炭は全て捨てるっていうのが、このゲームの特徴でリメイク後も引き継がれているのだが、捨てなくても良い2種類のリソース「鉄」「絹」が追加された。
これによって、準備するシーズンと色々出来るシーズンという緩急が生まれて、ダレにくくなった。

昨今のリメイク作の中でもトップクラスに良く出来たリメイク。
近々キックスターターのプロジェクトが始まるみたい。日本語版もサポートされるっぽいのでマストキック!

キャットブルース:ザ・ビック・ギグ

Cat Blues: The Big Gig

評価:7/10

酔いどれネコのブルース」のリメイク。
少し調整が入っている。

まず、3ラウンド制になっている。
1ゲームが短いゲームなので、全く問題ない。

プレイヤー人数が4人までに減っている。
元々5人以上で遊ぶ気にならないゲームなので、これも全く問題ない。

カルテット(得点化)を出した時に、ネズミトークン(得点)とは別にカードランクと対応するカルテットトークンを獲得できる。
ゲーム終了時に、一番多くカルテットトークンを獲得したプレイヤーは+10点のボーナスが貰える。
同じランクのカルテットトークンは獲得できない&プレイヤー人数分のトークンが用意されているので、要は「何種類のランクでカルテットを出せたか」ボーナスとなっている。
+10点はバカにならない点数なので、低得点カルテットやジョーカーカルテットの意味合いが増してくる!

競りに勝った場合、最終的に手札が4枚未満の場合、4枚まで手札を補充しても良くなっている。
これが最も大きな変更点だと思っていて、「酔いどれネコのブルース」は、カルテットを出して手札が減ると、ジョーカーがめくられて手札補充されるまで何もできない状態に陥ることがままあった。
そのリスクを取って競り勝ちに行く!もしくは、カルテット後も手札が残るようにする!等の戦略が肝だと思ってたんだけど、それらを無に帰すルール変更!
この変更によって序盤から競り値がインフレ気味になって、若干大味さを感じた。
ラウンド制にしたことで、テンポを重視したんだろうけど、個人的にはここは旧版の方が好みかな。

あと、バリアントルールとして、得点は高いが枚数が半分しかない「7」カードが追加されている。
7を得点化するのはかなり難しいけど、競りでも使いやすいんでラッキーカード扱いだね。
そこまでプレイ感は変わらないけど、夢があるので良いんじゃないでしょうか。

タイムボム:アンダーカバー

Time Bomb: Undercover

評価:7/10

第3陣営とイベントカードの追加された「タイムボム」。

「政府機関(スワット)」「秘密組織(テロリスト)」の2陣営に加えて「シャドウ」という第3陣形が追加された。
「シャドウ」は常に1人で、「爆弾を自分で爆発させる」か「最後の解除コードを自分が切る」のどちらかを達成すれば良い。

あと、陣営カードには隅にも陣営マークが小さく描かれているのだが、これが本当の陣営と異なるカードが何枚か存在する。
ゲーム開始時に、カード隅のマークだけを左隣のプレイヤーに見せる。
「私だけが知っている隣人の秘密」になっていて、動きの指針になる。

イベントカードの存在に警戒していたが、イベントカードがラウンド別に分かれていて、出るタイミングがコントロールされているので、そこまでハチャメチャにならない。
むしろ、話し合いのとっかかりになるので、通常の「タイムボム」よりも遊びやすいかもしれない。(インストの手間を考えると通常版の方が圧倒的に楽だけど・・・)

総じて良いリメイクじゃないでしょうか。

アズール:クリスタルモザイク拡張セット

Azul: Crystal Mosaic

評価:7/10

アズール」の個人ボードが変わる拡張。

基本のB面がベースで、5カ所色指定されたマスがあって、そこにストーンを置いたときの得点が倍になる。

大きく変わってないので、もちろん面白い!
が、流石に拡張として出すのは、変化が無さすぎるんじゃないか・・・

新しいボードよりもタイルがずれないようにするオーバーレイがメインなのかも。

B面のルールを確認してて知ったんだけど、初版のルールに間違いがあるみたい。
初版は「同じ縦列に同じ色を置けない」。
2版以降は「同じ縦列にも同じ横列にも同じ色は置けない」。
日本語版はどうなってるのか不明。

フタン

HUTAN: Life in the Rainforest

評価:7/10

インドネシアの森に花や樹木を植えて動物たちが住める環境を作る。
ヒート」や「ディープ・ブルー」のデザイナーコンビの新作。

場にプレイヤー人数×2枚分のカードを並べて、1枚ずつピックしていくオープンドラフト。
カードに示された花をマイボード上に良い感じに配置していく。

っていう概要だけ聞くと平凡すぎて全く惹かれないのだが・・・
遊んでみると、気づきの連続でとても面白い!

同じ花を重ねると樹木になって得点化されるのだが、樹木になってしまうと花の配置の邪魔になってしまう。
それなら「最初は花だけを広げて置いて、後で樹木にしていけば良いじゃない!」となるのだが、同じ色の樹木でエリアを完成させることで配置できる動物は総数が決まっていて、モタモタしていると無くなってしまう!

ボードはいくつかのエリアに分かれていて、エリア内を同じ色の花(or樹木)で埋め尽くすことで得点化される。
ただし、手を付けたのに、上手く出来ないと手痛いペナルティ!
最後まで気が抜けない!

テーマや概要から、プレイされず埋もれそうなゲームだけど、パズル好きな人は一度は遊んでほしい。
(単に僕がこのデザイナーコンビと相性が良いだけの可能性は高いが・・・)

アズール:デュエル

Azul Duel

評価:7/10

2人専用「アズール」。

「アズール」はアブストラクトっぽいプレイ感なので、少人数が向いているゲームだけど、実際に2人で遊ぶと見えすぎる感じがある。
今作では、右側の得点エリアを自分で構築させるようにして先を見えにくくしたり、裏向きの要素を追加することで不確定要素を増やして、2人で遊びやすくしているように感じた。

僕は、普通の「アズール」は3人プレイぐらいがちょうど良いと思っているので、2人専用としての存在意義は十分にある!

グレート・ウェスタン・トレイル:エルパソ

Great Western Trail: El Paso

評価:7/10

グレート・ウェスタン・トレイル」の簡易版。
プフィスターと「チャレンジャーズ!」のデザイナー共作。

基本ルールは同じなんだけど、コースが短くなっていたり、牛や建物の種類が減っていたり、コンパクトになっていて、60~90分級のゲームになっている。

中でも大きい変更点は、人物(カウボーイ・建築士・技術者)がステータス的な扱いでは無くカードになった部分。
人物カードを獲得すると自分の前に置いておき、使用すると個人捨て札に入る。
デッキがリシャッフルされ、デッキから人物カードを引くと自分の前に配置して再び使用できるようになる。
デッキの回転の早さが大事になっている。

他にも、鉄道トラック、目標カード、ボーナスタイル等が簡略化されている。

元の持ち味を消さないように上手く短時間化されている。
人物も最初から各種1人ずつ+ワイルド1人を持っているので、序盤のアイドリング無しでも各自狙いの戦略をとることが出来るようになっている。

「グレート・ウェスタン・トレイル」シリーズは、どれも面白いのは分かってるんだけど、なかなか腰が重くて稼働しないので、サクッと遊べる今作は需要がありそうだ。