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失われた種の探索

The Search for Lost Species

評価:6/10

惑星Xの探索」の続編。
今度は、絶滅危惧種の捜索。

「惑星Xの探索」は環状につながったマスだったが、今作は2次元に広がったヘクスマップ。

今作も、「テーベ」式の手番制なのだが、「惑星Xの探索」は手番決定の駒が捜索範囲を規定していたと思うのだが、今回は手番順駒とは別にマップ上に駒があり、これが捜索範囲を規定する。
マップ上の駒は、比較的自由に動き回れるので、窮屈さは無くなっている。

また、村を訪れることで能力カードを取ることが出来るようになっている。
これはちょっと荒い調整という印象。
よりゲームっぽくなっているので、人によってはポジティブに受け取られそう。

窮屈&シビアなプレイ感が好きな人は「惑星Xの探索」、自由&個人能力なプレイ感が好きな人は「失われた種の捜索」って感じかな。

個人的には「惑星Xの捜索」の方がシステマチック&テーマとの親和性も良くて好み。

ウェーブ

Wave

評価:6/10

数字や色の上下を波に模した協力カードゲーム。
新人デザイナー。エッセン新作。

0~5,6色。(ただし、白0と青5は無い)
手番では、捨て札のカードよりも数字か色の価値が高いカードを1枚出す。(白<黄<オレンジ<ピンク<水色<青)

手札の持ち方も変わっていて、3枚は自分向き、2枚は裏向き(他プレイヤーに向ける)にして持つ。
どちらからでも出せるのだが、手札補充の際、逆側で補充する。
裏向きの手札の情報は他のプレイヤーから教えてもらえるのだが、「出せるよ(出してほしい具合も可)」「出せないよ」しか教えられない。

ルールを読んだ段階だと、大したことないゲームかと思ったのだが、なかなか良く出来ている。
自分向きのカードの情報は出せないので、奉行問題も起こりにくいし、各カードは1枚ずつしかないので、終盤に向けて数字と色のバランス、表向き裏向きのバランスを整える必要がある。

あと、キーカードとなりそうなカードには手番順逆転マークが付いている。
このゲーム程、手番順逆転が効いているゲームは珍しい!

プランタ・ヌーボ

Planto Nubo

評価:6/10

ラピュタ的な世界観でガーデニング。
ラ・グランハ」のデザイナーコンビとウヴェの共作。エッセン新作。

マイボード上に花壇タイルを配置し、その上に配置される花キューブを配送することで取り除き、更地になった花壇タイル上に森タイルを配置するっていう、2段階のタイルパズル。
タイルパズルのトレンドである2階層パズルを重量級ウヴェパズルにも導入!

メインシステムはワーカープレイスメントなんだけど、グリッド状に並んだタイルの2タイルの間にワーカーを配置する。
そして、隣接する2タイルから1つを選んでアクションを実行。(1ラウンドに1回だけ2タイルともアクションを実行可能)

あと、個人ボード外周をエネルギーマーカーが周回し、マーカーが通過したマスに接続されているボーナスアクションに起動チップが補充される。

色々と要素はてんこ盛りだが良くまとまっている。ウヴェの仕業かな?

重量級タイルパズルと言えば「オーディンの祝祭」があるけど、あっちよりもまとまりは良さそう。
逆に、膨大な情報量に埋もれたい人には、ちょっと物足りないかも?

ハウス・オブ・キャッツ

House of Cats

評価:6/10

数字と猫とネズミを書き込む紙ペンゲーム。
ケイラス」のデザイナーとオストビーの共作。エッセン新作。

ルールはシンプル。
誰か1人がダイス4個を振り、全員がそこから3つを選んでマイシートに書き込む。
このとき、書き込む3マスは隣接している必要がある。

同じ数字が、その数字分だけの繋がるとグループ化できる。(例えば、3のマスが3マス繋がる)
この得点形式は「スプリッター」と同じだね。
そして、面白さの肝は両者共通してそう。

各数字はグループ化することで、得点だけでなく特殊効果も獲得できる。
「書き込む数を1つ増減できる」や「3の好きなマスに書き込む」等々。
この特殊効果は、ゲームごとにランダムで決まるので、何度でも遊べるようになっている。

あと、ダイスは特殊ダイスで1と6が無くて、代わりに猫とネズミの目になっている。
これらの効果はシートごとに変わるようになっていて、シートは全4種類。
シートによって、ベースルールも少し変わるので、色んなバリエーションが遊べるようになっている。

シート1とシート2で遊んだが、シート1も無難に面白いが、シート2を遊ぶと「シート1は練習用だな」と感じるぐらいグッとギアが入った面白さになっている。

ウェルカム・トゥ・ザ・ムーン」もそうだったけど、紙ペンはバリエーションの時代に入ったのかな?
アイデアだけで、色んなバリエーションを作りやすい形式だからね。

カリマラ(第2版)

Calimara

評価:6/10

ロピアーノのデビュー作「カリマラ」にちょっとした調整と拡張の追加。
Tabletop Simulatorでプレイ。

調整点は
・セットアップで4番手、5番手は追加でカードを1枚ドロー。
・どの終了条件でゲームが終わっても手番数はそろえる。
・市議会トラックに16枚以上の駒を配置できる。
このあたりは後手番不利を解消する調整。
一番大きな変更は
・自分の手番中に引けるカード枚数は最大で1枚。(他プレイヤーの手番中は2枚以上カードを引ける。)
序盤、あえて実行できないアクションを実行してカードを蓄えがちだったが、それが出来なくなった。

どの調整も、真っ当な調整。
どのルールも、追加のコンポーネント無しに第1版に適用できる。

拡張は2種類。
まずは個人能力カード。
最初に後手番からピックしていき、ゲーム全体を通して有効となる。
バランスが少し心配だが、まぁこの拡張は許せる。

2つ目の拡張では、新たに派閥ボードが追加される。
手番では、自分が置いたディスクに隣接するアイコンの陰謀アクションを実行できる。
この陰謀アクションで派閥ボード上にキューブ置いたり、トラックを進めたりできる。
この陰謀アクションが、著しくテンポを削ぐ・・・
要素も増えるので考える部分も増えてしまい、完全にトゥーマッチなゲームになってしまった。
逆に、基本ゲームでは物足りないと感じた人にはいい拡張かもしれない。

最近のリメイクラッシュで買い替えるゲームが増えて困っていたのだが、これは買い替えなくて済みそうで内心ホッとしている。

ビール・パイオニア

Bier Pioniere

評価:6/10

ビール醸造がテーマの骨太ワーカープレイスメント。
コール&コロニー」等の石炭3部作のデザイナー。エッセン新作。

通常ワーカー2つと、管理ワーカー、トラックワーカー、手番順ワーカーの計5つのワーカーを1つずつ使っていくだけのワーカプレイスメント。
各ワーカーは置ける場所が決まっているので、どれを先に置くかが悩ましい。

誰かが20点獲得したラウンドでゲーム終了なのだが、1回の配送で平均で4,5点取れる。中々のスピード感。
ただ、ビールは完成までに様々な準備が必要となるので、ビールを作らずに金や樽を回して小さい得点を積み重ねるのでも全然勝機がありそう。

目新しい要素は一切ないのだが、ワーカーの種類ごとの特徴、適度に制限されたワーカー数、20点という得点レース、等々によって最後まで緊張感が続き、中だるみが無い。

各社トレンドを追って、似たようなゲームが多くなる中、こういうキャッチーさのかけらもない骨太ゲームで勝負されるとグッとくる。

ムーアランド

Moorland

評価:6/10

リソースを何度も使いまわすセットコレクションパズル。
キャメルアップ」デザイナーのエッセン新作。

(16枚のタイルを組みわせた)マイボード上にリソースを配置していき、1スペース上にカードに示されたリソースが全て揃うと、手元からカードを配置できる。
カードで覆われたリソースは、カード上の川に沿って移動していき、別のスペースに流れ着き、また別のカードを配置するためのリソースとして使うことが出来る。
カードの中にはリソースを捨てたり得点化するものもあって、それを使うことでリソースの数を減らすことが出来る。
というのも、最終的にどこにも行きつけないリソースはマイナス点となってしまうので、ゲーム終了に向けてリソースを減らしていくことも大事になる。

かなり計画性を求められるゲームで、リソースの使いまわしっていう目新しさもある。
最近、2重構造のタイルパズルが多いが、このゲームはその中でも一捻りあって面白い!

マッチオブザセンチュリー

Match of the Century

評価:6/10

冷戦時代のチェス大会。
アメリカのフィッシャーとソ連のスパスキーの対決がテーマ。
パオロ・モリのエッセン新作。2人用。

チェスが題材だが、システムは全然チェスでは無い。
基本的には、お互いに1枚ずつカードを出して数字比べをするだけ。

先手プレイヤーが4つあるエリアのいずれかにカードをプレイし、後手はそれを見て、同じエリアにカードをプレイする。
数字が大きい方がエリアに示された分だけマーカーを自分に引き寄せる。
4つのエリアが終わるか、圧倒的大差が付くと試合終了で、マーカーが自分側にあるプレイヤーが1点獲得。
先に5点獲得した方が勝ち。

特徴は、数字比べに負けた方にもボーナスが付くルール。
各カードには数字比べに負けた時に発動するボーナスが書いてあり、これがなかなかに強力!
これによって、後手はただ大きい数字を出して勝てば良いだけじゃないし、先手もむやみにデカい数字を出せなくなっている。(数字がデカいカードほど負けた時の効果も強いように感じた)

このゲームは真剣勝負のチェスの精神部分にフィーチャーしている。
手札上限やマーカーの初期位置を決める精神力ゲージだったり、カードに2つの数字(白と黒)の切り替えでバイオリズム的なものを表現していたり・・・

将棋やチェスの映画・漫画は「よく知らんけど、なんか天才的なことをやっている!!」って雰囲気を上手く作ってるけど、このゲームもその雰囲気を上手く作れているように感じた。
本当のトッププレイヤー達は、こんな風にチェス対決を体感しているんじゃないか??と思わせる妙な説得力がある。

ドラゴンの番人

Drachenhüter

評価:6/10

魔術師となってドラゴンを飼いならす。
アンドールの伝説」のミヒャエル メンツェル。エッセン新作。

同じ色のドラゴンカードを集めて出すことで得点!
という、シンプルなゲームなのだが、ちょっとした工夫が上手く機能している。

本を模した2つの山札があり、それらの山札の一番上のカード裏が得点化できるカードの色と枚数を規定するようになっている。
カードをドローするごとに、それらが切り替わっていく。
手番では3枚までカードを引けるのだが、得点条件が上手く整っていればあえて2枚でドローを止めるってことも大事になってくる。

また、手札から山の上にカードを戻すことも出来て、これによっても得点条件を調整できる。

あと、得点の傾斜の付け方が上手い!
得点タイルは得点別に分けて並べて置き、基本的に低い得点タイルから獲得していく。
最初は1タイル1点しかもらえないのに、最終的には1タイル16点ぐらいもらえるようになる!
これによって、加速感が演出で来ていて、それでいて「序盤意味ないじゃん!」と言わせないボーナス効果もキチンとある。

あと、自ら使える色を制限することでもらえるボーナスもある。

テーマから、なんとなく無難ゲームを想像して期待せずに遊び始めたのだが、意外や意外、随所に工夫が光る佳作ゲームだった。
メンツェルが描くドラゴンも独特な可愛さがあって良い!

島の完熟バナナ

Reif für die Insel

評価:6/10

シンプルな追い出し競り。
クニツィアのエッセン新作。

プレイヤーは同じ構成の手札をもってゲームスタート。

場にプレイヤーと同じ数のバナナ。
これらのバナナを1人1つずつ分配するのだが、誰がどれを取るかを競りで決める。

手番順に、いずれかのバナナの前にカードをプレイしていく。
誰かがカードを置いているバナナを欲しい場合は、より高いカードで追い出す。
そうやって、1人1つずつ取るバナナが決まったら、使ったカードは捨て札にして、
次のバナナを袋から引いて並べる・・・という感じ。
ものすごくシンプル!

クニツィアなので、もちろん工夫はある。
取ったバナナはマイボード上に保管していく。
マイボード上に保管できるバナナは5個まで。
全員が5個ずつ保持するとラウンド終了。
1ラウンド目は茶色のバナナのみ食べられて、2ラウンド目は茶色と黄色、3ラウンド目は全てのバナナが食べられる。
食べられないバナナはマイボード上に残って、スペースを圧迫してしまう。
が、マイナス効果のバナナもあるので、スペースが埋まっていることが一概に悪いばかりではない。

この上なくシンプルで、こんなゲーム出すのは、今ではクニツィアにしか許されないだろう。
もちろん、匠の調整によりシンプル以上の面白さを提供してくれるのだが、ちょっとお仕事要素にしつこさを感じた。
同系統だと「ハイ・ソサエティ」ぐらいの方が遊びやすいかな。