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ファクトリ42

Factory 42

評価:4/10

共産主義世界のドワーフっていう変わったテーマのゲーム。
色々ゲームを作っているデザイナーみたいだけど、僕は今作が初コンタクト。

国に資源を要請して、それらの資源をトロッコに積み込み、トロッコをマイボード上に運び、そこから資源を消費して注文を達成する。
っていう流れのゲーム。

が、今作の特徴は「自分が要請した資源を自分がトロッコに積めるわけじゃない」「自分が積み込んだトロッコを自分が獲得できるわけじゃない」ってところ。

ワーカープレイスメントで、各アクションの実行順を決めていくので、「トロッコに1番に資源を積み込めるがトロッコを取れるのは4番目」とか「資源をたくさん要請できるけどトロッコの資源を取ることが出来ない」みたいなことが良く起こる。
そうなると、「最初の方のトロッコには(しょうもない資源の)縄1個だけ入れとけば良いか」とか「どうせトロッコ取れないんだから、しょーもない資源ばっかり要請しよう!」っていうマイナス方向の行動が連鎖していくことに・・・

そうなると、国からの要請を達成できずに、全員がペナルティを負う・・・
場の空気はだだ下がり・・・
献身的な行動をしたプレイヤーにはロゼッタというリソースが与えられ、それを支払うことでペナルティを回避できる作りになっていて、一応ゲームバランスは取られるようにはなっているのだが・・・
足の引っ張り合いになるゲームデザインは我々には受け入れられなかった・・・

レッドアウトポスト」もそうだけど、共産主義テーマのゲームは向いてないのかも。
逆に「レッドアウトポスト」が好きだった人には刺さる可能性あり。

フィレンツェの匠(2023年版)

The Princes of Florence

評価:7/10

「フィレンツェの匠」のリメイク。
何回かリメイクされているみたいで、その中で追加された拡張ルールも付属。

せっかくなので、拡張ルール2種類を両方入れて遊んでみた。

1つめはキャラクターカードの追加。
通常の競りフェイズの後に、キャラクターカードを競るフェイズが追加された。
キャラクターカードも各プレイヤー1枚ずつ競り落とすことが出来て、そのラウンド中にボーナスをもたらす。
どれも強力で、戦略幅が増えそう。

2つめは両隣プレイヤーとのボード共有。
個人ボードを繋ぎ合わせて配置。
隣のプレイヤーのエリアとの境目に協力して建物を建てることが出来る。
両者持っていることになるので、建物の条件が緩くなる感じ。
なかなか面白い試みなのだが、交渉がテンポを削ぐし、建物の共有もゲーム全体のバランスを欠いている気がして、こっちの拡張はちょっと合わなかった・・・

最初のアレア版はカードがとても見にくかった・・・
今回のバージョンは文字ではなくイラストで表現するようになっていて、とても見やすくなっていて良い!

ファーナス:戦間期

Furnace: Interbellum

評価:6/10

「ファーナス」のゲームシステムはすごい綺麗で面白いんだけど、バリエーションの無さが懸念点だった・・・
そこに新要素を追加する拡張!

追加の個人能力カード、スタートアップカード、企業カード、既存のカードに能力を追加するマネージャータイル、新たな入札ダイヤル、と盛りだくさん。

今回、よくばって全部入れて遊んでみたのだが、僕にはトゥーマッチだった・・・
見る部分が増え過ぎて、思考がショートしてしまう感覚。

拡張はモジュール式みたいなので、少しずつ足していくのが良いかもしれない。
逆に、要素が多いゲームがへっちゃらな人は、いきなり全部入りでも楽しめるだろう。

(追記)
追加要素を減らして遊んでみたところ、大分遊びやすくなった。
最初は「マネージャータイル」「新企業カード」はどちらか1つだけにするのがオススメ。
あと、新たな入札ダイヤルは賛否両論ありそう。

ファンタスティック・ファクトリー

Fantastic Factories

評価:5/10

ダイスロール&エンジンビルド。

ダイスロールして、それらのダイスを使用してカードやリソースを得られる。
リソースを使って、カードを自分の前に置いていく。
カードによって能力を獲得したり、カードの上に特定のダイスを置くことで勝利点等を生み出すことが出来る。

基本的にソロプレイなのだが、ラウンド最初に手番順で場のカードを取るフェイズがある。
このフェイズが不思議・・・
他プレイヤーのことまで考えて選択することはないのに、無駄に手番制にしてダウンタイムを生み出してしまっている気がする・・・
「山から4枚引いて1枚獲得」or「人物カード起動(使っても捨てられない)」にして、同時選択にした方がテンポが良い気がするのだが・・・

フォーク

FORK

評価:5/10

食物連鎖でカードを取り合うトリックテイキング。
「アール・デッコ」や「マカロン」のデザイナー。
Tabletopiaでプレイ。

4スート、1~8。1だけ5枚ずつある。
あと、キツネ(9)を各自1枚ずつ持つ。

マストフォローなのだが、カードの出し方もカードの取り方も特殊。
リードプレイヤーがリードスートを指定する。
そのうえで、リードプレイヤーから順番にマストフォローでカードを出していく。
カードを出すときに、1のみ表向き、他は裏向きで出す。

全員がカードを出したら、全てのカードをオープンして勝敗判定。
フォローしたカードの中で一番数字が高いカードから動いていく。
キツネ(9)はフクロウ(8)かウサギ(2~7)を1枚獲得できる。
フクロウはウサギを1枚獲得できる。
ウサギ(2~7)はケール(1)を1枚獲得できる。
ケール(1)は自分自身を獲得できる。
自分が動く前に他のプレイヤーに獲得されたカードは動けないので、他プレイヤーに取られないように、自分が他プレイヤーのカードを取れるように考えてカードを出していく。

あと、リードプレイヤーは常に時計回りで移る。

カードを裏向きで出すので心理戦のウェイトが大きいが、トリテ的な思考を踏まえての心理戦になるのが中々面白い。

フォシリス

Fossilis

評価:4/10

恐竜の化石発掘。
新人デザイナー。

アクションポイント制で、自駒を移動したり足場をスライドさせたり、見えている化石を拾ったりしていく。
拾った化石を使って恐竜カードを獲得するのが主な得点手段となる。
あと、スライドして落とした足場は自分のものになって、アイテムカードの購入に使える。

恐竜カードには1~3つの化石が示されていて全ての化石を集めると「完全復元」としてボーナスが貰える。
が、1つでも集めることが出来れば「部分復元」となってボーナスは貰えないがカード自体は獲得できる。
カードにはアイコンが3つ書かれていて、このアイコンのマジョリティ得点やセットコレクション得点は部分復元でも取れるので、誰も完全復元をしない!
完全復元で得られるボーナスよりも、マジョリティやセットコレクション得点を狙う方が明らかに得点が大きいのだ・・・

あと、アイテムカードの能力と得点もデタラメな感じもあって、不信感だらけのゲームデザイン・・・

ギミックを楽しむゲームだよってことかもしれないが・・・それにしてはルールが多すぎる気がするし・・・うーん・・・

ブレッド&ビアー

Bread & Beer

評価:4/10

すこし変わったカードドラフトでパンとビールを作る。
「タイニーエピック」シリーズのデザイナー。エッセン新作。2人用。

豊作の年(ラウンド)と、不作の年(ラウンド)が交互に訪れる。
豊作か不作かでカードプレイ方法が少し異なる。

豊作の年は、各自が手札5枚から1枚をプレイ→残り4枚を相手に渡す→また1枚プレイ→残り3枚を相手に渡す→・・・・を繰り返す。
不作の年は、手札交換が無くなり、手札から1枚ずつプレイしていくのだが、場に3枚のカードがあり、手札からカードをプレイする代わりに場のカード1枚をプレイでき、代わりに手札1枚を場に補充する。

カードはどれも3種類のプレイ方法がある。
「リソース獲得」「リソースを消費して得点化」「永続能力の追加」。

カードドラフトの難易度が結構高くて、たまたま上手くいった / いかなかった って印象が強い。
しっかり考えて遊ぶとそこら辺の感触も変わってきそうだけど・・・どうだろうか。

リソース獲得で使ったカードは次ラウンドの手札になるので、それを上手く使うのがコツだろうか?

ファザネリー

Fasanerie

評価:6/10

カードで出来たコース上を進んでカード集め。
フリーゼのエッセン新作。

場にカードを並べて1本道のコースを作る。
そのコース上で一番後ろに駒があるプレイヤーが手番をする「テーベ」的な手番システム。
ツタンカーメン」のように、自駒はどこまででも進められる。
進んだ先のカードを取るんじゃなくて、移動開始時に自駒がいるカードとそれよりも後方に並んでいるカードを全て獲得できる。

カードの中にはマイナス点になったり、集めすぎると良くないカードもあるので、そこら辺のプラスマイナスを良く見定めて駒を動かす必要がある。

カードのバリエーションの付け方が上手くて、実際遊んでみると思った以上に盛り上がる。
コースが徐々に公開されるっていうのも良く出来ていて、シビアになり過ぎず、それでいて運だけじゃ無い、非常に好みのバランスのゲームとなっている。

このゲーム、1箱だと2人でしか遊べないのだが、2箱買うと4人、3箱買うと6人まで遊べるようになる。
それなのに、4人以上プレイが最適人数っぽい。
というのも、2人プレイだと駒を重ねるっていうアクションの意味が無く、多人数用にデザインされているゲームなのは明らか。
なんだ!?この不思議な販売形式は・・・フリーゼの何かしらのメッセージなのだろうか?

フィット・トゥ・プリント

Fit to Print

評価:6/10

リアルタイムで新聞編集。
タイニータウン」や「ワームホール」のデザイナー。
Tabletopiaでプレイ。
現在、Kickstarterで出資募集中。

マイボードが紙面を模していて、そこに記事や写真や広告のタイルを配置していくタイルパズル。
よーいスタートで、盤面に散らばった裏向きのタイルを取ってきて、表を見て、保持するか、場に戻すかを判断する。
面白いのは、保持したタイルを紙面に配置してパズルすることは許されず、まず自分の机ボードに積み重ねていく。
もう十分な数のタイルが取れたと思ったら「レイアウト!」と宣言して、机ボード上に溜まったタイルを紙面に配置していく。
制限時間は4分しかないので、タイル探しに時間を取られ過ぎると、良いタイルが揃っても全然置けなかったり、間違えた配置をしてしまったりしてしまうことになる。
逆に適当にタイルを取りすぎても、レイアウトしてみたら多すぎたり少なすぎたりして、取り返しのつかない状態になっていたりする。

散らばったタイルを皆が一斉に探し回る感じや、机にどんどんタイルが積み上がっていく感じが、一昔前の新聞社の喧騒を思わせて楽しい。

タイル自体は全て長方形か正方形なので、テトリス的な難しさはないんだけど、同じ種類のタイルを隣接して置けないルールがあって、そのパズルが難しい。

このデザイナーのゲームは、すごい斬新なシステム!では無くて、既存のシステムに一工夫入れるだけなんだけど、その一工夫の効果を最大限に高める周りの調整がとても上手い!
それでいて、どれも全然違う面白さのゲームに仕上がっている!
今後も注目したいデザイナーだ。

あんまりオンラインプレイ向けのゲームでは無いので、実物でもう一回遊んでみたいところ。
キックにしてはお値段もお安めなので、キックしようか迷うところだが、
最近、キックの日本語版発表率が異常に高いから、そこが悩み所・・・

プラネットB

Planet B

評価:4/10

近未来、プラネットBの権力者となって私腹を肥やす。
新人デザイナー&ハンスのエッセン新作。

お金で建物を建てたり、建物にワーカーを派遣したり、派閥への影響力を得たり、大統領選挙に向けて票を取りに行ったり。

手番では、3つのアクションセットから1つを選んで実行する。
このアクションセットには3種類のアクションが含まれていて、それらを1つずつ実行していく。
アクションによっては、1アクション内で他のアクションをトリガーしたりするコンボが発生して、終盤は自分でも何をやっているのか追いつけなくなってくるコンボ具合。
そもそも、なぜ3つも一気にやらせるのか・・・

そんなややこしい処理をさせる割に、長期計画を立てにくい設計で、カードの登場運、引き運に翻弄される・・・

重量級ゲームは年々複雑化しているのは間違いないが、どのメーカーも工夫を凝らして遊びやすくしている。
それに比べて、今作は遊びやすさへの工夫が無いし、ゲーム展開にメリハリも無く、要素が多いわりに繋がりと狙いが不明瞭・・・と、とにかくダレる・・・

ハンスには、もう、新しいゲームを作る力は残っていないのか・・・