Skip to content →

タグ:

うつけ

Utsuke

評価:6/10

家臣となり殿の勝ち数を予想する。
ゲームマーケット新作。

1~12,5スート。

プレイヤーの他にNPCである殿が混ざっているのが特徴。
殿の手札は公開情報で、出し方も決まっている。
殿の手札の一番右端のカードに「切り札」チップを置いて、そのスートが切り札となる。
「切り札」チップは常に殿の右端のカードに載るので、途中で切り札が変わることになる。

殿のリードで始まって、マストフォロー切り札有りのルールで進めて行く。
手札を見て、殿の獲得トリック数を各自が秘密裏にビッドする。
これが当たるように場をコントロールするのだが、殿よりも多くトリックを取ったプレイヤーは殿の機嫌を損なってしまい、打ち首チップを受け取ってしまう。
打ち首チップを2枚受け取ると脱落!

打ち首を恐れて、みんなが殿に勝たせるようにするので、太鼓持ちの部下と裸の王様の構図を自然と生み出す。
箱絵の殿さまの顔が絶妙なバカっぽさで素晴らしい!場の雰囲気作りに大きく貢献してそう。

切り札が変わるシステムも非常にスマートで、場をコントロールする感覚も味わえる。

とても良く出来たゲームなので、トリックテイキング好きには是非遊んでもらいたい。

ただ、ビッド方法には少し不満があって、純粋に他のプレイヤーと同じにするのが大事なので手堅いビッドになりがちに感じた・・・
オープンビッドだとガチガチになり過ぎるのかな?

ヴェネツィア(クイーン)

Venezia

評価:4/10

ヴェネツィアの鳩となって、マジョリティ争い。
2001年。

基本は、カードプロットでキューブを分配してマジョリティ争いっていう心理戦のゲーム。
なんだけど、そこに2つの強烈な要素が追加されている。

1つめは、キューブ補充ミニゲーム。
広場と呼ばれるグリッドにキューブを配置。
ランダムな場所に観光客が登場するので、自分のキューブを近寄せることでキューブを補充する。
観光客とは別に鳩狩り駒もランダムに登場して、そのそばにいるキューブは除去される・・・
さらに、プレイヤー同士でも除去しあうことも出来る。

2つめは、アクションカード。
「任意のプレイヤーの1エリアのキューブ全てを除去」「各エリアから1個ずつキューブ除去」等々、かなり強烈な効果。
しかも、攻撃対象を選べるものがほとんど・・・

これら2つの要素が全然合わなくて、楽しめなかった。
無茶苦茶なものだと割り切って、ワーワーやりあうのが正解なんだろうな。

ウィザーズ・アンド・カンパニー

Wizards & Co.

評価:4/10

ハイネクロマンサーの残した財宝を取りにダンジョンに潜る。
エジツィア」「アルマ・マータ」等のアッキトッカ新作。

各自、同じ構成の個人デッキを持つ。

手番では、カードを1~2枚、ダンジョンに配置する。
「表向きで1枚」配置した場合は2枚ドロー。
「裏向きで1枚 / 2枚を別のダンジョンに」配置した場合は1枚ドロー。
「2枚を同じダンジョンに」配置した場合はドロー無し。

ダンジョンのスロットが全て埋まると決算。
裏向きのカードを全て表向きにしたうえで順番にカード能力を適用していく。
最終的に残ったカードの数字合計が高いプレイヤー2名が財宝をゲット。
財宝は得点になる上に今後有利になる効果が付いている。

裏向き配置の競り&カード能力っていう、個人的に苦手と苦手が組み合わさったゲーム。
「アッキトッカ!しかもフルメンバー!」ってことで飛びついたが・・・早計だったか・・・

ザ・ボス」や「陰謀」みたいな心理戦が好きな人には刺さるかも。

ウィンドミルバレー

Windmill Valley

評価:6/10

オランダで風車の建設とチューリップの栽培。
バルセロナ」「アルボレア」のデザイナー新作。

2つの歯車がかみ合って回るロンデルシステムが特徴。
その歯車のエリアを上書きすることでロンデル構築することが出来る。

水門の高さと水位っていう2つのパラメーターがあって、水門の高さがロンデルの回転数になる。
これらのパラメーターは全員共通のもので、ここに妙なインタラクションがある。

チューリップの球根の獲得、植え込みがメインの流れとなるが、他にも早取り目標や個人の最終目標の獲得、アクションボーナスの獲得等々がある。

ちょこちょことインタラクションはあるが、プレイ感はソロ寄り。
そんな中、水門だったり、市場での他プレイヤーの駒の影響だったり、細かいインタラクションに奇妙さを感じる。

海鳴りのドラゴン

Sea Dragons

評価:5/10

ブロック状に自駒を配置していく陣取りマジョリティゲーム。
デザイナーはルチアーニと他2名。

手札2枚から1枚をプレイして、そこに示された形状で自駒を配置する。
配置済みの自駒と隣接することは不可で、逆に他プレイヤーに隣接しておかなければならない。

概要からなんとなく「ブロックス」っぽいゲームなのかと想像していたのだが、遊び始めると全然違うゲームだった。
アブストラクト要素は低めで、場のセットコレクションカードを見ながら、アドリブで駒を置いていく感じ。

最後のエリアマジョリティ得点が大きく、無視することが出来ないので、各自1エリアは1位を取れるように動いていく。

悪くは無いが、デザイナーがルチアーニと言うハードルを越えられるゲームでは無かった・・・

ヴィーヴォ

VIVO

評価:6/10

トリック毎に出さなければならないスート数が変わるトリックテイキング。
「ズーストック」「タイギー」「ソルティー」デザイナーの新作トリックテイキング。

1~12、4スート。

フォロー概念が特殊で、トリック毎にルールを決めるカードをめくる。
カードは「1スート」「2スート」「3スート」「4スート」の4種類。(4人プレイ時)
「1スート」は普通のマストフォロー。
「4スート」は「ポテトマン」等でおなじみのマストノットフォロー。
「2スート」「3スート」は最終的に、そのトリックのスート数をその数に揃えなければならず、それが出来なかったプレイヤーは勝敗判定に絡めない。

勝敗判定も変わっている。
一番大きなランクを出したプレイヤーは2点。
一番小さなランクを出したプレイヤーは出したカードのランクが得点。
ローランクに意味を持たせるのはもちろん、4~7あたりに高得点チャンスを夢見させる、とても良く出来たルールだ!

トリック毎にルールが決まるシステムは、見せる分量を間違えるとハチャメチャになったり重くなりすぎたり難しいシステムだと思っているのだが、今作は「次トリックのルールカードを見せる&割合は決まっている」という丁度良い加減になっている。

今までの同作者のゲームの中で一番王道感があり代表作となるポテンシャルを感じる。

ウシュマル ~マヤの天階神殿~

Uxmal

評価:5/10

古代マヤ文明のピラミッド建設。
四国」のデザイナー。

シンボル毎の価値順番が決まっている。
できるだけ上級なシンボルの上に駒を置いたり、そのシンボルのカードを獲得することを目指す。

盤面にタイルを置くことでカードを獲得できる。
そのカードを消費して自駒を移動したり、シンボル価値を変化させたりする。

1階層目がタイルで埋まると1ラウンド終了で決算。
ラウンドが進むにつれて、どんどん置ける枚数が少なくなるので、どんどんターン数が少なくなって、3ラウンド目は一瞬で終わる。

どうもフワフワしたプレイ感で、開発途中のゲームという感じ。
1ラウンド目はみんなと合わせて動いて、2ラウンド目は3ラウンド目の準備、3ラウンド目で如何にトップに食い込むかという感じなんだろうか。

ウルブス

The Wolves

評価:5/10

狼たちの縄張り争い。
新人デザイナー。

各自6枚ずつ持つ地形タイルをひっくり返してつつ、対応する地形でアクションを行う。
プレイヤーごとに、表裏が同じ地形を示しているタイルがあり、その地形が得意地形となる。

盤面に散らばる一匹狼を自分の仲間に引き入れたり、数匹で獲物を取り囲んで狩ったり、巣を作ったりしていく。
個人ボード上の駒が盤面に配置されることでステータスがアップする「テラミスティカ」的なステータスシステムで、何をしてても何かしら成長していくので、停滞感は無い。

セットアップ後は運要素のないアブストラクトなのだが、他プレイヤーのタイル状況把握までは気が回らないので、自分の地形タイルのひっくり返しパズルに集中しているだけでも十分楽しめる。
が、エリアマジョリティの得点も馬鹿に出来ないので、本気で勝負するとなると他プレイヤーの状況まで把握する必要があって、ダウンタイムがえげつないことになりそうな怖さはある・・・

このアクションシステムとプレイヤーインタラクションの高さは相性が悪い気がしてきたが、どうなんだろうか・・・

馬高

Umataka

評価:6/10

縄文時代がテーマの国産本格ワーカープレイスメント。

メインシステムはワーカープレイスメント。
各アクションエリアには複数のマスがあって、それぞれ使用するワーカー数が異なる。
使用したワーカーの数だけロンデル上の自駒が動き、着地したマスのアクションが実行できる。
普通、ワーカーの使用数は少なくしたいのだが、ロンデルの関係上、多めにワーカーを使うことも有効になる。

あと、普通のワーカーのほかに犬ワーカーもあって、犬は普通のワーカーと一緒に使わないとイケナイ。
これがちょっとしたルールなんだけど、上記システムと合わさることで悩ましいものとなっている!

非常にオーソドックスな作りなのだが、丁寧に作られている。
ただ、ちょっと尖った部分が無くて、驚きが無いというか・・・感情の起伏があまり無いように感じた。

ウィスキーレース

Scottish Highland Whisky Race

評価:6/10

イギリスに抑圧されたスコットランド人が伝統的レース中にウイスキーを密輸。
レースに勝利して勝利点を稼ぐか、ウイスキーを密輸して勝利点を稼ぐか。
ハンザ・テウトニカ」のシュテディングの初期作。2004年。

各プレイヤーは12個のモルトキューブと2枚のウイスキータイルをもってゲームスタート。

まず、全員が同時に移動歩数を決めるために好きな数のモルトキューブを握る。
多く握った順に手番を行う。

同数握った場合の処理が強烈。
交渉してどちらが先に進むか決めるのだが・・・
「まとまらない場合はどちらのプレイヤーの手番もなし!」
場合によっては、「絶対まとまらん!」宣言をして相手の手番(もちろん自分も)を潰すことも出来、ルールにも時には有効と記載されている!

歩数カウントも変わっていて、他の駒が居るマスを通過する際はその駒分余計にモルトキューブを消費する。
更に、タイルがあるマスに移動するとボーナスをもらえるのだが、自分単独でそのマスにいないとダメ。
とにかく他プレイヤーとの密集を避けることが大事になる。
レースの順位やタイルボーナスもあるので、そうは言ってられないんだけどね・・・

ねちっこい交渉による手番順決定、ウイスキータイルの特殊効果の個人攻撃、嫌いなタイプのゲームデザインなのだが・・・
なぜか、この頃のシュテディングのゲームは許せちゃう!
それを補って余りあるオリジナリティがあるからかな?