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クロノビブリオティカ

CHRONO BIBLIOTHECA

評価:7/10

タイムリープがテーマのワーカープレイスメント。
慶應HQのメンバーが設立したHQ Gamesの新作。

基本はシンプルなワーカープレイスメント。
もちろん、ワーカプレイスメント部分にも工夫はちりばめられているのだが、最大の特徴は時間の概念。

ラウンド毎に、各自が自分のペースで時間を進めていく。
特定の時間に進むと、事件が発生する。
これらの事件は裏向きで置かれていて、実際に遭遇するまで何が起こるかわからない。
なので最初は大体、事件を解決することはできない・・・
そこでタイムリープの登場!
前の時代に戻って過去をやり直すことが出来る。
もう、事件解決に必要となるものはわかっているので、十分準備して挑むことが出来る。

時間が関わるのは事件だけではない。
コンパニオンと呼ばれる、仲間の存在も時間経過で大事となる。
特定の時間にリソースを支払うことで仲間になることが出来、以降ワーカー駒として機能する。
が、この仲間とも別れの危機が定められていて、事件同様、条件を整えていないとワーカーとは決別してしまう。
まぁ、これも過去に戻ってやり直せば良いんだけどね。

タイムリープものでは「いくらでも過去に戻れるなら、何回でもやり直せば良いじゃない」っていう緊張感無くなる問題があると思うのだが、これもうまく解決している。
過去に戻るごとに、戻れる最古の時間も進めなければならなくなっている。
ちんたらしていると、やり直しが効かなくなってしまうわけだ。

タイムリープがテーマのボードゲームは惹かれて積極的に遊ぶのだが、中々ゲームに落とし込めないものが多い・・・
ここまで上手くタイムリープのエッセンスを取り入れつつ、ゲームとしても面白いゲームは初めてじゃないだろうか。

テーマとシステムが上手くマッチしているので、「このシステムがこのテーマを表現してるんです!」とか説明したくなるだろうに、ルールではそういう記述は少なく淡々と処理が書かれていて、実際にプレイすることで体験し理解することが出来るようになっている。
説明しすぎない脚本のようなかっこいいルールライティングだ。
まぁ、その分ルール理解は難解にはなっているわけだが・・・どんなジャンルでも、ここら辺はトレードオフだよね。

Published in ボードゲーム