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ファースト・エンパイア

First Empires

評価:7/10

ダイスロールで陣取りマルチ。
先日レビューした「ヒベルニア」を発展させたようなエリック・ボーゲルの新作。

駒を移動させて領地を取り合うマルチなのだが、「ヒベルニア」同様ギスギスしない工夫が施されている。

カラーダイスを振ってから、駒を移動させて出た色の地域を占有できているとステータスをアップできる。
「ヒベルニア」と違って必ず出目の地域に侵攻する必要は無いのだが、そうしないと無為なラウンドを過ごすことになるので、基本的にダイス目に従って侵攻することになる。

「ヒベルニア」でもそうだったけど、ダイスロールで攻撃対象が決まると「仕方なく」攻撃したことになってギスギスしにくい。
今作では更に、手持ちカードの条件達成という要素も入っているので、「仕方ない」理由が増えている。
だからと言って自動処理になり過ぎないように、「リロール」や「カード破棄によるダイス目変更」等でプレイヤーの判断が必要になっている。

ダイスの目(地域の色)毎に上昇するステータスが決まる。
「ダイス個数」「リロール回数」「移動力」「カードドロー」「駒の数」。
自分の戦略に合ったステータスを上げていきたいのだが、ダイス目やマップ構造がそれを許してくれない。

攻撃された側のストレスも考慮されている。
攻撃された地域の駒は除去されるのでは無くて、自駒のある地域にワープで撤退できる。
即座に自分の他の地域を強化できることになるので、1人のプレイヤーが一気に蹂躙されにくくなっている。

プレイヤー毎に能力の異なる個人ボードだったり、個人デッキ、ステータストラック等、モダンな要素を入れつつ、マップ構造もしっかり考えられたものになっていて、「ヒベルニア」からしっかり進化させてきた。
(僕のようなマルチが嫌いな人が思う)マルチの弱点を、ユーロの手法で真っ向から解決しようとしている姿勢がカッコイイ。

評価6で書き始めたのだが、書いているうちにドンドンすごいゲームに思えてきたので評価7としておこう。
今回のプレイが、たまたま良い流れだった可能性は否定できないが・・・
なんにせよ、今一番リプレイしたいゲーム。

Published in ボードゲーム