カードプレイのみで行うシンプルなレースゲーム。
「バラージ」「ツォルキン」のルチアーニ作。
5つの車駒が1列に並んで順位を表している。
手札7枚。このゲームで手札補充は無い。
手番では、1枚を自分の前にプレイして対応する車の順位を1つ上げる、もしくはパスする。
全員がパスすると、残った手札も公開して1位の車のカードが3点、2位が2点、3位が1点。
非常にシンプルなゲームだが良く出来ている。
パスしてしまうと、以降の順位変動に手を出せなくなってしまうので、できるだけ残りたいのだが、場が整ってしまうと動きたくなくなる。
1位のカードをプレイすると最下位に落ちてしまうというルールが効いていて、序盤のこれをされると「ずっと1位をキープするのは難しいからあえて最下位に落とした」のか「本命を悟られずに押し上げた」のか。
中盤の車を進めた場合でも、「純粋にその車の順位を上げたい」のか「追い抜いた車の順位を下げたい」のか。
常に2択の心理戦が動く。
手札が配られた時点で大枠の計画を立てられるカードゲームは好み。
が、ちょっと思惑が交錯しすぎてアンコントローラブルに感じる部分もあって、狙い通りに進めることを目指すというよりは、思っても見ない展開をハラハラ楽しむのが正解かもしれない。
何にせよルチアーニのデザイナーとしての幅の広さを感じさせてくれたゲーム。