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ポリネシア

Polynesia

評価:6/10

火山噴火間近のポリネシアからの避難。
「キング・イズ・デッド」のピア・シルベスター新作。

スタート地点である本島から海路を作って島々を渡っていく。
海路を作ると、そのプレイヤーの船が置かれて、そのプレイヤーは自由に移動できるようになる。
他のプレイヤーも海路を所有するプレイヤーにリソースを支払って利用することが出来るのだが、「海路所有プレイヤーの駒がガイドとして同行させないとイケナイ」っていうのが今作の特徴。
これがウィンウィンの関係になる場合もあれば、思いもよらない所に連れ去られることになったりもする。

1ラウンドあたり、手番が3周するのだが、1周目は「3」、2周目は「2」、3周目は「1」という数字があって、これが移動力やら海路建設コストやらリソース獲得量と紐づいている。
ラウンドはじめは移動やリソース獲得がしやすく、後になるほど海路建設が効率が良くなる。
基本的に、海路建設してから移動したくなるのに、その逆を突いてくるあたりにデザイナーのやらしさを感じる・・・

あと、ラウンド最後に「スタートプレイヤーが魚か貝を選択して、全員がその種類のリソースを全て捨てる」という、とんでもないルールがある。
その後に収入フェイズがあるので、何も持ってない状態でラウンドが始まるということは無いのだが、それにしてもすごいルールだ・・・
決して適当にプレイすることを許さないデザイナーの強い意思を感じる・・・時代とは逆行している気がするが、僕は支持します!

と、ここまで運要素の無い完全アブストラクトなのだが、ゲーム終了トリガーにのみランダム要素が入っている。
ラウンド毎に袋から火山キューブを取り出して、6つ全ての赤キューブが出たらゲーム終了。
灰色は何もなし、黒は追加で2個キューブを引く。
赤6、灰3、黒1という構成。
今回、最長となる9ラウンドとなったので、終盤若干だれてしまったのは残念・・・
9ラウンドは稀なことなんだろうけど、7ラウンドぐらいで終わるぐらいがちょうど良いかも。

総じてマニアックで固い作り。
決して一般受けはしないけど、手元に置いておきたくなるマニア心くすぐるゲーム。
センスがあって魅力的なデザイナーだと改めて感じた。

基本的にマップ固定のアブストラクトだけど、ゲーム毎に得点ルールや特殊ボーナス等の組み合わせが変わるようになってるから、リプレイ性は十分だよ。
(「こんな癖の強いゲーム、今後何回遊ぶんだろう」と思わなくもないが・・・)

Published in ボードゲーム