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ビバレッジ(新版)

BEVERAGE

評価:6/10

同人ゲームの商品版。
Tabletop Simulatorでプレイ。

同人版との大きな違いは
・ゲーム開始時に10金持って、それでワーカーや後入札トークンを購入できるようになった。
・スタジアムの構成がランダムになり、接続グループ得点が追加。
・最大ラウンド数が8→7に。
・各アクションの初手にボーナスが付いた。(早い手番を取りに行くメリットが出来た)
・市場カードの大体の額が裏からわかるようになった。
・市場カードの中にもう1枚の市場カードもろとも捨て札になる「-MAX」カードが追加された。
・ゲーム終了時の持ち金マジョリティ得点の追加。
・販売フェイズ後手番の得点がゲーム終了加算に。(ゲーム中の税金が増えない)
あたりだろうか。

同人版も1回しか遊んでいないので、プレイ感の違いは比較できないのだが・・・
そこまで劇的な変化はない気がする。

気になったのは市場カードが裏面と「-MAX」カードの存在。
これによって、「-MAXが出ると+2金ぐらい、出ないと+12金ぐらい」みたいな2択に思考が集約されてしまう。
同人版の裏面から額がわからず、「-MAX」カード無しぐらいの方が、読み合いにブレが出て良い気がするのだが・・・どうだろうか。

ゲームとしては非常にシャープでシビアな経済ゲーム。
個人的には、この尖りぐあいは嫌いじゃないんだけど、万人に向けて売り出すには、ちょっとシャープ過ぎな気もする・・・
幅を持たせるとプレイ感がぼやけてしまうだろうってのは想像に難くないが・・・そこに切り込んで欲しかった。

東インド会社(パスカル・リブロー)

East India Companies

評価:7/10

東インド会社をテーマにしたゲームは多いけど、リメイクとかでは無くて新作。
ビルトゥ」デザイナーの新作。

インドで商品を仕入れて、ヨーロッパで売る。

毎ラウンド決まる需要と供給を見て、設備を整えたり、船で商品を輸送して利益を出していく。
会社の利益は基本的に自分のものになるので経営を頑張りたいのだが、株システムが曲者。

他プレイヤーの会社の株を購入することもできて、保有数によっては自分が頑張れば頑張るほど他プレイヤーのほうが利益を得る状況になったりして、程々に頑張ることが大事になったりする。

この塩梅がよく分からず、自社株を頑張って上げた2人よりも、経営はそこそこで株の売買で利益を出したプレイヤーが圧勝した。

予想外の結果に驚きつつも、普通のゲームにない魅力を感じてしまい、頭から離れない。
なんだ!このゲームは!
すごくリプレイしたい!出来れば4人で!

(追記)
4人でリプレイしたが、やっぱり面白い!
3人プレイよりも商品の取り合いが激化するのと、売り上げが最下位だと株価が下がってしまうので、より緊張感がある。
評価6→7にアップ!
他プレイヤーの動き次第で自分の計画が崩れることが多々あるので、ソロプレイ寄りの人はストレス感じるかも・・・

ビルトゥ

Virtù

評価:6/10

ロンデルビルドでイタリアの覇権争い。
エッセン新作。

ラウンドは春と冬にわかれている。
春はロンデルアクション1人1回ずつ。
冬はカード購入してロンデルビルド。

ロンデルビルド部分は非常に魅力を感じるデザイン。
ロンデル上にカードを置いて更新していくのだが、ワンステップ挟む必要があって、そこまで自由にロンデルをいじれないっていうのが、計画性を問われる感じで面白い!

が、メインシステムが戦争による都市の奪い合い、諜報活動による相手のアクションの制限、等々・・・ちょっと個人攻撃的すぎるか・・・
戦争は許せるにしても、諜報活動で気楽にウィークポイントを突けるのが気になった・・・

結果的に、みんな気が引けて、誰も個人ボードへのエージェント駒の配置はやらなかったこともあって、個人攻撃要素の理不尽さがどれぐらいのものかは体験できてないのだが・・・
これが納得いくバランスなのであれば、オリジナリティの高い傑作ゲームな予感。

まぁ、バランス云々言っても、攻撃される痛みは間違いなくあるゲームなので、遊ぶメンツには気を付けた方が良さそう。


気になるエッセン新作は大体遊べたので、個人的ランキングを記しておこう。(拡張、リメイクを除く)

1.ヒート
2.リバイブ
3.クズーカ
4.チャレンジャーズ!
5.サビカ
6.超辛い
7.クロッシング・オーシャン
8.ラクリモーサ
9.ホット・リード
10.ファザネリー

2022年ってくくりだと「チッタ・スタート」「カーネギー」。
国産だと「オープン」。
拡張だと「グレート・ウェスタン・トレイル:アルゼンチン」が良かった。

今年は、爆発的に面白いゲームは少なくて、佳作級の面白さのゲームが多かった印象で、このランキングを作るのも大変だった。
ほとんどのゲームは1回しか遊んで無いので、リプレイしたら簡単に順位変わりそう・・・

ピンコンビトリオ

評価:5/10

芸人をピンかコンビかトリオで出す。
「大富豪」系ゲーム。
倦怠期の新澤大樹さんのデザイン。

カード構成は1~80。(プレイ人数によって何枚か抜くみたい)

基本は「大富豪」と同じルールなんだけど、役が「ピン」か「コンビ」か「トリオ」。
「ピン」は1枚。
「コンビ」は連番の2枚。
「トリオ」は間隔が同じ3枚。(1,5,9とあ5,12,19とか)

出せない、もしくは出したくない場合は山から1枚ドロー。

「トリオ」の存在がこのゲームの持ち味なんだろうけど・・・
イマイチ面白さに繋がっていない印象。
あと、山からドローするのは計画が台無しになってしまいがちなので、「大富豪」系にはあって無い気がするが・・・どうなんだろう。

ヒート

Heat: Pedal to the Metal

評価:7/10

カードプレイでのレースゲーム。
フラム・ルージュ」のデザイナー。エッセン新作。

全体的なシステムは「フラム・ルージュ」と似ているのだが、遊んでみると感触はかなり違う。

全員、同じ構成のカードデッキを持って、そこから7枚引いて手札とする。
まず最初にギアチェンジをして、プレイする枚数を決める。
ギアを上げる程たくさんプレイ出来るので一気に進めるのだが、コーナーでは速度制限があって、高速で突っ込むとダメージを受けてしまう。

このダメージの表現の仕方が秀逸。
最初、手札や山札とは別に、ヒートカードってのをマイボード上に6枚持っている。
これが言わば、ライフポイントみたいなもので、無理をした時に捨て札に移動する。
ヒートカードは手札に入ってしまうと単なる邪魔もので、選択肢を狭めてくる。
ギアを下げると「クールダウン」出来て、手札のヒートカードをマイボード上に移してライフ回復できる。

このヒートカードとスピードの管理がゲームの肝となる。
遅れをとらないように、ヒート(ライフ)が尽きないように、コーナーをギリギリ攻めていく。

「フラム・ルージュ」はプレイしたカードが除去されたり、集団の先頭に配られる疲労カードで自転車レースの雰囲気を上手く表現していたが、今作もコーナーを同じターンに超えられるか超えられないかで大きな差が付く緊張感が、カーレースの熱を上手く表現している。
(どっちもリアルを知らないので想像でしかないが・・・)

マップは4つ付いているし、最初に特殊カードをドラフトする上級ルール、コースに特徴を加える天候ルール、自分のデッキ(車体)をカスタムしながら数レース行うキャンペーンモードと、ボリュームもたっぷりで、いきなりビックボックスの装い。
長く楽しめそうだ。

氷河と空

Ice and the Sky

評価:5/10

自然環境の維持を目指す協力ゲーム。
BGAでプレイ。

各プレイヤーに目標カードが配られる。
目標カードは「Wの列の合計が5」「空の行の合計が3」みたいな感じ。
これらを達成するようにカードをプレイしていくのだが、「花火」のように自分の目標カードは自分だけ見られない。
ただし、場が変わるごとに他のプレイヤーに「あなたの目標は達成しているよ/していないよ」を教えてもらえる。
それをヒントに自分の目標、他プレイヤーの手札を推理して、全プレイヤーのカードを配置し終わった後に出来るだけ多くのプレイヤーが目標を達成してる状態を目指す。

最初は難しく感じたのだが、徐々に慣れてきて最終ラウンド目は全員が達成できるまでに成長できた。
1回のプレイで結構な満足感があったので、リプレイ性は低めかもしれない。

ビター(ペアーズ)

Bitter

評価:5/10

ペアーズ」のバリアントルール。

手札6枚をブースタードラフト。
最後の1枚は捨てるので手札5枚。

山から1枚めくって、このボーナス札を「ハゲタカ」式で取り合う。
バッティングしなかった最高値のプレイヤーがボーナス札を取る。
さらに、バッティングしなかった自分のカードは得点として獲得できる。

手札が均等じゃない不満感をドラフトを入れることで解決している。
とは言え、大半の情報は見えないので、ほとんど勢いと運のゲームではあるが・・・

ひよこどりっぷ

Hiyoko Drip

評価:4/10

箱から豆を振り出すバーストゲーム。
賽苑。2014年。

豆がたくさん入った箱を振って豆を出す。
バーストしない限り、いくらでも出しても良い。
出した豆が「すべて同じ豆」か「すべて異なる豆」の条件が崩れたらバースト。

バーストせずに手番をやめたら出した豆を獲得。
2個×3組のスリーペアを作ることが出来れば勝ち。

もう1つ一発逆転の勝利条件があって、「ひよこ豆を4つ一気に獲得」。
ひよこ豆は特別な豆で箱から出しても獲得できず箱に戻される。
ゲームが進むにつれ、箱の中のひよこ豆の密度が上がっていき、一発逆転の可能性が高まっていく。
このあたりはしっかりゲームデザインされている印象を受けるが、「箱から豆を出す」というアクションがどうも地味で盛り上がりに欠ける・・・

白蓮

Der weiße Lotus

評価:5/10

14世紀、中国。皇帝と反乱軍との戦い。
ワレス作。2000年。

長時間ゲームだが、ルールはシンプル。
1か所ずつ競りで所有者を決めていくのだが、競りの方式が「1人ずつ排除していく消去法」
各プレイヤーは脱落してほしいプレイヤーカードと一緒に影響力を握る。
全員公開して一番影響力が集まったプレイヤーが脱落。
これを1人だけが残るまで続ける。

影響力は脱落者以外は全て消費するので、結託した者同士でも「自分は影響力消費したくない・・・」っていう心理が働いたり、「こいつが最終決戦に残ったら残り影響力的に勝てないから序盤で脱落させておくか?」みたいな裏切りが起きたり・・・
なんだか、デスゲーム系の漫画っぽい展開になる。

あと、もう1つの特徴は反乱。
1人が皇帝役となり、様々な恩恵を受けることになる。
それに対して反乱を起こすことが出来る。
が、反乱を始めたリーダー以外のプレイヤーは皇帝側につくことも出来て、ここでも心理戦が入ってくる。
勝った方の陣営は負けた方の陣営のプレイヤーの土地を1つ奪えるので、そこら辺の兼ね合いも考えなければならない。

バチバチのマルチゲームなのだが、結局は握り競りで「僅差で勝てるか、僅差で負けないか」に集約されている気がするので、仲の良い仲間とワイワイ遊べば良いんじゃないでしょうか。

ビトク

Bitoku

評価:5/10

妖怪や御霊といった日本古来のスピリチュアルなものをテーマにした重量級ゲーム。

システム的にはダイスプレイスメントとデッキビルドなんだけど、とにかくいろんな要素がてんこ盛り。

配置したダイスが(大体)もう1回移動してアクションを実行するっていう2段階のダイスプレイスメントが特徴かな。

要素が多いのでインストのボリュームは中々あるのだが、どの要素も聞いたことがあるものなので、重量級ゲームを遊び慣れている人なら頭に入りやすいんじゃないかな。

最近の重量級ゲームによくある、面白そうな要素をたくさん盛り込んでみました系。
ちょっと要素が多すぎるてデザイナーの意図をくみ取り切れない感じで、完全にトゥーマッチ。
ラウンド毎に取れるカード・タイルを制限していたりして、ユーロゲーム側に寄せているように感じるのだが・・・
それにしても、この要素の多さはアメゲーのイベントカードとかとは違うアプローチでのカオス発生装置なんじゃないかと感じてしまう。