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ヘブン&エール

評価:7/10

修道院でビール醸造。

キースリングとアンドレアス・シュミットの共作。

エッセン新作。

アクション選択は「グレンモア」や「ツタンカーメン」のような、「いくらでも進めるけど後戻りはできない」システム。

アクションの種類は「タイルを購入」「決算」「条件達成による得点タイルの獲得」の3種。

タイルは購入してマイボード上に配置。日陰マスだと通常コスト、日向マスだと2倍のコストが必要になる。

で、配置したタイルを起動するのが「決算」。

決算では「同じ数字のタイル」や「黄色タイル全て」や「モンクタイルの周辺タイル」というような10種類の条件から1つ選び、条件にあうタイルをすべて起動する。

日陰に置いたタイルは金を生み出し、日向に置いたタイルはゲーム終了時に得点となるリソースを生み出す。

一回使った決算条件は2度と使えない。

この決算周りは「カッラーラの宮殿」と似ている。

あと、盤面にいくつかある建設予定地の周り6マスを埋めることで小屋を配置できる。

周辺6マスのタイルの数字合計で建てる小屋が決定されるのだが、大きければ大きいほど良いわけではなくて、小さく抑えることで得られるボーナスもあって、ここら辺のバランス取りの上手さは流石。

「条件達成による得点タイルの獲得」は、良くある条件達成タイルの早取り。

ただ条件を達成するだけじゃ獲得できなくて、アクションとして実行しないと獲得できないっていうのが変わっている。

1アクションで達成している得点タイル全てを獲得できるので、複数枚一気に取れるようになるまで我慢するか、誰かに取られる前に1個だけでも取りに行くかのジレンマ。アクション選択ルールと上手く噛み合って面白い。

最終的に、5種類のリソースの一番少ないリソースの数が得点源となる。

「チグリスユーフラテス」や「インジーニアス」みたいな感じなのだが、その直前にリソースの変換が可能で、戦略の幅を広げている。

各要素はどこかで見たことあるもので目新しさはないんだけど、タイルの価格設定や効果の調整で上手くまとめあげている。

こういう調整スキルは一朝一夕では身に着けられない正に匠の技なんだろうなぁとしみじみ感じさせられた。

Published in ボードゲーム