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キャット イン ザ ボックス

Cat in the box

評価:6/10

「シュレディンガーの猫」がテーマの量子系トリックテイキング。
操られ人形館のゲームマーケット新作。

スートの無い1~8のカードが5枚ずつの40枚。
これらのカードは手札の段階では何色でも無くて、出した瞬間に色を決定する。

ただし、この世界には4スート1~8の32枚しか存在しない。
存在しえないカードを出した瞬間にパラドックスが発生して、そのプレイヤーは、そのラウンド脱落扱いとなる。
もしくは、8ラウンドでちょうど32枚を出すことが出来た場合は脱落者無しで終了。

マストフォロー切り札有り(赤スート)。
マストフォローだが「あ!緑フォロー出来ない!」と言えば、別の色を出せる。
だけど、それ以降、そのプレイヤーは緑を出すことは不可能となる。
無茶苦茶なように聞こえるが、不用意にボイド(スート枯れ)宣言すると前述したパラドックスのリスクが高まるようになっていて、そこまで無茶は出来ない作りになっている。

得点はビッド式。
手札が配られた後に、取るトリックを1~3の範囲でビッド。
取ったトリック数+ビッド成功時はボーナス点。

このボーナス点の決定方法が秀逸!
ゲーム中に出たカードはグリッド状の共通ボードにチップを置いてプロットしていく。
このチップで形成されたエリアの大きさがボーナス点となる。
これが陣取り的な要素を生み出している。
パラドックスの危険性を見えやすく表現することで緊張感も生み出している。
素晴らしい!

いわゆる普通のトリックテイキング的な面白さとは種が異なるが、オリジナリティの高い面白さが生み出せている!
同人ならではのエキセントリックさと商用品レベルの完成度の高さ!スゴイ!

想像以上に陣取り要素のウェイトが大きいことに気づくと、紆余曲折を経てものすごい所に着地したであろう制作過程を想像して感心させられる。

Published in ボードゲーム