詐欺がテーマっていう変わったゲーム。
台湾のデザイナー。「鋼鉄と火薬」の人。
・
タイトルになっている「ポンジスキーム」ってのは詐欺の方法。
「かならず儲かる!」と出資者を100人募り、1万円ずつ出資させる。
さらに追加で出資者を200人募って、1万円ずつ出資させると200万になる。
この200万の一部を利息分として最初の100人にお金を返す。
そうすると、「本当に儲かった!」と評判になって、どんどん出資者が増えていく・・・
で、そろそろ頭打ちだなってところでトンズラっていうネズミ講的な手法のことみたい。
・
プレイヤーは詐欺師となって、次々と出資者を募りつつ、その出資金で前の出資者への配当を払っていく。
出資者は増えていって、配当金もどんどん増えていって、そのために更に高額な出資を募って・・・とやっていくわけだ。
借金で借金の利息を返すってのを繰り返す状態なわけだが、当然のことながら、そのうち誰かが破綻する。
その時点で、破綻者以外で一番得点を稼いでいたプレイヤーの勝ちになる。
・
ここまでだとただのチキンレースなのだが、ここに交渉が入る。
一人のプレイヤーを指定して、互いの得点タイルをかけて交渉する。
手番プレイヤーが額面を提示して、相手プレイヤーはその金額を受け取って得点タイルを渡すか、その金額を支払って得点タイルを奪うかを選ぶ。
「クーハンデル」に似てる交渉だ。
この時、財布に金額を挟んで提示するので、提示額は二人の間だけの秘密になる。
ここがこのゲームの肝!!
このゲームは、相場をプレイヤー間で作る部分があるので相場感がつかみにくい。
ただでさえ相場がつかみにくいのに交渉の額面を隠すことで各自の相場が生まれていくわけだ・・・もう、パニック!
・
個々のシステムに目新しさはなくて、90年代のゲームって言われても納得しそうな雰囲気だが、今までにないプレイ感。
新作でありながら、過去の名作感が漂っている。
ルールによるセーフティーは無いし、相場感や計画性が無いとセッション自体をつまらなくしてしまう危険性をはらんでいるけど、ゲーマーなら一度は試して欲しいゲーム。
・
ただ問題は、絶版で手に入らない!
BGGに「デザイナーが2016年にヨーロッパのパブリッシャーからリメイクされるって言ってたよ」って噂が出ているので、それを期待して待とう・・・
良くも悪くも垢抜けてない部分を感じるのだが、リメイクで調整は入るのかな・・・?
魅力まで削ぎ落とさないように注意深くやってほしいな。
・
(追記)
2回目プレイしてみたけど、傑作。評価7→8に変更。
TMGからのリメイクが決定したみたい。