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Board Game Memo Posts

コンプレス

Compress

評価:6/10

0と1の並びを独自の記憶術で記憶。
ゲームマーケット新作。

黒と白、0と1のカード。
手札8枚で、最初のプレイヤーは1枚を一度見せてから捨て場に裏向きで置く。その後ワンドロー。
次のプレイヤーは、捨て場のカードの数字が何だったか(色は関係なし)宣言&確認してから、手札から1枚を一度見せてから捨て場に裏向きで置く。
これを繰り返して、宣言失敗すると1ダメージ。
誰かが2ダメージ負うと終了。

これだけだと普通の記憶ゲームなんだけど、「手札を使って並び順を記憶して良い」っていうのがルールに書かれている。
5,6枚までなら愚直にカードを並べて置けば十分なのだが、徐々に手札が足りなくなってくる!
ここで、カードの色が意味を成してくる。
「黒は1枚扱いだけど、白は2枚扱いにしよう」とか、「黒0は”00″、黒1は”01″、白0は”10″、白1は”11″としよう」とか独自の記憶術を編み出して、情報を圧縮していくのが鍵となる。
僕はデジタル思考で記憶してたけど、人によってはもっとアナログな方法で記憶していて個性が出て面白い!

さらにいやらしいのは、手番ごとに捨て札の並びが逆になるようになっていて、手番ごとに前と後ろ順番に数字が追加されていくことになる。
これと、プレイと補充で入れ替わる手札によって独自記憶術が崩壊してくるので、後は自力記憶に頼らざるを得なくなってくる!

凄い発想のゲームだ!
オインクゲームの佐々木さんのプライベート作みたいだけど、完全に商用レベルの出来だと感じた。(オインクで出すにはマニアック過ぎるのかな?)

コケシ

Kokeshi

評価:5/10

シンプルだが新しさのあるエンジンビルド。
BGAでプレイ。

個人ボードの5列それぞれに、こけしが1つずつ置かれている。
手番では1つのこけしを1つ上に進めて、そにあるタイルの効果を発動する。
タイルが無い場所にこけしが進んだ場合、場からタイルを1枚取ってその場所に置いて、こけした一番下のスタート地点に戻る。

タイル効果は大体「〇〇こけしを進める」となっているので、ゲームが進むと1手番でどんどん連鎖してコンボしていく。

既定エリアより上には、高得点タイルを配置できるようになるので、それを目指す。
もしくは、個人ボードとは別に動物トラックがあるので、ここを進めることでも得点できる。

ルールを読んだ段階だと「シンプルだけど、今までにない感じだぞ!ワクワクする!」となって、最初の数手は興奮しながら楽しんでいたのだが・・・
中盤以降は淡々とした展開に・・・
やれることのバリエーション不足が問題だろうか。

ラーテル

Ratel

評価:6/10

ー5~+5のカードを使う大富豪系ゴーアウト。
ゲームマーケット新作。

ー5~+5のカードが6枚ずつ。(0は無し)

基本は連番無しの「大富豪」。
全員がパスした際に、最後にカードを出したプレイヤーにボーナス(場合によってはデメリット)がある。
プラスのカードだった場合は、そのラウンドで場に出たカードを数字分だけ獲得しなければならない。
マイナスの場合は手札から数字分だけカードを捨てなければならない。

ちょっとしたルールなんだけど、ありそうでなかったプレイ感で面白い!

プラスのカードで勝って、同じマイナスカードを集めて、一気に出し切って上がるっていうのが一般的かな。

最初からプラスのカードを持っているプレイヤーが有利っぽい。
得点形式が、最後まで上がれなかった人のみが失点で、それ以外の上がり順は無意味なので、悪い手札でも一縷の希望を追って戦うことはできる。

スポークス

Spokes

評価:6/10

自転車レースがテーマの多人数アブストラクト。
未発売だが、Tabletop Simulatorでプレイ。

コースボードの各セグメントに6色の棒が敷き詰められている。
個人ボードの自転車の車輪のスポークにも6つの棒が配置されていて、ここがロンデル的な動きをする。

手番では、個人ボード上のロンデルを1~3マス進めて、最後に飛び越えた棒を取って、コースボード上の任意の棒と入れ替える。
その後、今回入れ替えた棒と同じ色を使って自駒を進める。
今回入れ替えた棒は必ず通過しなければならないが、それ以降は好きな位置で止まれる。

これを繰り返して先に3周したプレイヤーの勝ち。

あと、他プレイヤーのいるマスに着地すると一歩前に戻して、「チャージ状態」になれる。
「チャージ」を消費することで任意の色を1歩スキップできるようになるので、チャージ状態を維持することは重要。

3周は長いように感じるが、直前のプレイヤーの作ったラインを使いたくて、同じ色を使いがちになるので、徐々にコース上に同じ色のラインが形成されていき、2周目以降は1手で半周するほどの高速ゲームになってくる。
その状態で高速ラインの色をマイボード上に確保していることが重要!

アブストラクトながら、テーマの再現度も高くて良い感じ。(逆走も許容されているのはご愛敬・・・)
アブストラクト好きな人は一回遊んでみると良いだろう。

カルタヘナ:エスケープダイアリーズ

Cartagena: Escape Diaries

評価:7/10

カルタヘナ」の新バージョン。

通常の上級ルールである「補充札公開」が通常ルールになっている。
全員のピックを記憶するのは大変だけど、前プレイヤーのピックカードを覚えるぐらいはできそう。

それとは別に、今回も2つのバリエーションが追加されている。

1つ目は「キャプテン駒」。
各プレイヤーの6つの駒のうち1つはキャプテンとなり、特殊能力を持つ。
・任意のカード2枚でワイルドカード扱いで進める。
・後退してカードピックする時、場の好きな場所からカードを拾える。
どちらも強力な能力なので、キャプテンの動かし方が少し重要になる。

2つ目は「いかだの追加」。
コース全体の2/3地点に埠頭エリアが追加される。
埠頭にはいかだが2台停泊していて、通常コースでは無くいかだに乗船することも可能。
いかだに(任意のプレイヤーの)3つの駒が乗船すると一気にゴールすることができる。
ただし、それより前にいかだに3つの穴が空くと、乗船した駒は埠頭エリアに戻される。
カードの背景が茶色と灰色に分かれていて、灰色カードを使うとチップをランダムにめくり、いかだに穴が空いたり、NPC駒がいかだに乗船したりする。
ゴールへのバリエーションが生まれていて中々面白い。

チップの中にはアイテムに×が描かれたチップもあって、これがめくられるとゴールからみて一番近いそのアイテムマスに置かれて、ないものとなる。
個人的に、今回のバリエーションルールで一番気に入ったのはこの要素。
ゲーム途中で絶対的に保障された高価値アイテムが生まれることになる。
これが公開場札補充ルール、キャプテンの任意位置からのドローと上手くかみ合っていて面白い!

前回のバージョンのバリエーションルールはイマイチな印象だったけど、今回のは中々良いんじゃないかな。

ゼニス

Zenith

評価:6/10

5色の列で綱引きを行う2人用ゲーム。
キャッスル・コンボ」のデザイナーコンビ。
今年のKDJ推薦リスト入り。

手番では手札から1枚をプレイするだけ。
カードの使い方が3種類ある。

1つ目は最も分かりやすい「カードコストを払ってカード効果を起動」。
カード効果はトークンを自分側に引き寄せるのがメインだけど、色々な効果がある。
高コストのカードほど効果も強くなっていて、特に9,10コストのカード効果は膠着を打開する強力な効果となっている。

カードは対応する色の列の自分側に配置される。
永続効果といった物は無くて、重要なのは置かれている枚数。
以降、置かれている枚数分だけ、その色のカードコストが割引される。
シンプルながらゲームをドライブさせる良いルールだ。

2つ目は技術トラックの前進。
出したカードに示された種族のトラックを進められる。
これを行うにはカードとは別にゼニシウムという高価値リソースを支払う必要がある。
トラックを進めることでボーナスが貰えるのだが、進むとそれまでのボーナスを全て獲得できるので特化させると強烈な効果を生み出す。

3つ目はおまけボーナス。
出したカードに示された種族に応じた、ちょっとしたボーナスが貰える。
他と比べると弱いボーナスなので出来るだけ使いたくないけど、手詰まった時には仕方無いって感じかな。

見た目から特殊能力バチバチの殴り合いゲームかと思っていたんだけど、能力は厳選されていて、かなり面白い!
綱引きゲームなので、序盤は中々得点できないのだが、互いの状況が整ってくると一気にゲームが動き始める。

2人プレイ以外に4人のペア戦もある。
チームの2人が連続して手番を行うのだが、各自担当列が2列ずつ決まっていて、残り1列はどちらもアクセスできる列になっている。
3つ目のおまけボーナス実行で手札をパートナーに渡すことができるので、2人プレイよりも価値が上がっている。
ペア戦ならではの面白さがあって、こちらも面白い!

ちょっと見た目のB級感が強いけど、中身は一級品なので2人用ゲームが好きな人は遊んでみてほしい。

フォクシー

Foxy

評価:5/10

様々な動物の登場回数を記憶。
今年のSDJ推薦リスト入り。

ランダム20枚のカードを山札にする。

山から1枚めくり、そこに描かれた動物の種類が今までに合計何匹登場したかを各自のシートに記入。
最初のうちは簡単なのだが、結構な種類数の動物がいる上に、1枚のカードに最大3種類の動物が登場するので、結構大変・・・

30枚すべてをめくった後に1枚ずつめくりなおして答え合わせしていく。

正解数ぴったりがもちろん一番良いのだが、少ない分には自分が書いた数の得点が貰える。
多い数字を書いてしまうと0点。
あと、ゲーム中に1回だけ回答の数字に〇を付けることが出来て、それがピッタリだと得点が倍!ただし、ピッタリじゃないと0点になってしまう。

すごいありそうなルールの記憶ゲームなんだけど、しんどくない!
テーマによるものなのか、徐々に難易度が上がるシステムによるものなのか、少なく書いとけば安心なやさしさによるものなのか・・・
記憶ゲームのしんどさが苦手な人は多いと思うけど、これは遊びやすいよ!

カスカディア・ジュニア

Cascadia Junior

評価:5/10

カスカディア」の子供向け版。
今年のSDJ子供部門ノミネート。

地形タイルと動物タイルをセットで取るっていうのが「カスカディア」の特徴だけど、今作は地形タイルのみを取るようになっている。
タイルは2ヘクスで1枚のドミノ風タイルになっている。
元版の「1ヘクスに複数地形」を子供用に表現するとこうなるのね・・・上手い工夫だ!

地形タイルを配置した結果、同じ動物マークが3つ揃うと自動的に動物チップが配置されて得点!

地形も同じ地形を3つ繋げることで得点となるので、2要素パズルは健在!

これを遊んで気づいたけど、「カスカディア」は2要素パズルに加えてリソースパズルまでやらされてたんだね・・・3要素じゃないか!

得点タイルは1点と2点があって、完全ランダム。
ゲーム終了まで(本人も)確認しない方式で奇蹟の逆転を夢見れる!

上手く子供用に落とし込めていて良いんじゃないでしょうか。
でも、ダブル受賞は難しいかもね・・・

空中庭園(グレゴリー・グラード&マシュー・ヴェルディエ)

The Hanging Gardens

評価:6/10

タイルを購入してマイボード上に配置するタイルパズルゲーム。
ダーウィンの足跡」のデザイナーコンビ新作。
BGAでプレイ。

手番では場からタイルを1枚取って、マイボード上に配置するだけ。
一番下のタイルは無料だが、それより上のタイルはコンパスを払う必要がある。
コンパスは思った以上に入手しづらいので、欲しいタイルが来たからといって飛びつくのは厳禁!

あとは、タイルの種類ごとに異なる得点形式、早取りの条件ボーナス、コインを支払うことで獲得できる付加価値タイル等々・・・
非常にオーソドックスな作りで、「はいはい、いつもの感じね・・・」となりそうだが・・・
面白い!

前述したコンパスの入手しづらさだったり、場のタイル列にはそれぞれ獲得回数制限があったり、妙に制限が厳しいゲームなのだ!

個人的に制限が厳しいゲームの方が好みってのもあるので、取捨選択せざるを得ないパズルゲームを楽しめる人にオススメしたい。

カウリ

Kauri

評価:5/10

ニュージーランドへのイギリスの入植がテーマ。
ルート」等の非対称ゲーム。
今年のKDJ推薦リスト入り。

陣営は「イギリス人」「(原住民の)マオリ人」「キーウィ」「ポッサム」の4つ。

イギリス人は道路網を広げ、木を伐り、ポッサムを狩ることで得点を稼ぐ。
マオリ人は自分たちの家をたくさん作ることで得点を稼ぐ。
キーウィはゲーム開始時、全エリアに存在し、出来るだけ個体数を減らさないことを目指す。
ポッサムはイギリス人によって連れてこられた外来種。繁殖力を生かしてどんどん個体数を増やすことを目指す。

「ルート」と違って、手続き自体は全員共通。
派閥固有のデッキから引いた手札3枚から1枚をアクション用、もう1枚を手番順決定用として同時選択。
手番順カードの数字が小さいプレイヤーからアクションを実行するだけ。

面白い特徴として「イギリス人の意識メーター」がある。
最初、イギリス人の意識は木を切ることが主体となっているのだが、ゲームが進むとポッサムを狩ることへと意識が移っていく。
最初イギリス人は「キーウィ」と「マオリ」から疎まれる存在だが、後半は「ポッサム」から嫌われる状態になり、「マオリ」とは友好的な関係となる。

非対称ゲームの常として、プレイヤー間でバランスを取り合うゲーム。
手札3枚から2枚をプレイなので、そこまで自由は効かないのだが、それによって「仕方なく」攻撃することになってギスギスしにくい。
2回遊んだ感じだと、「キーウィ」と「ポッサム」が簡単な印象で、人間陣営が高得点をたたき出すのは、なかなか難しそう。